看護師は数ある法律の中でも○○法を学ぶべき!

看護師が知っておくべき法律知識まとめ


こんにちは、訪問看護師のYukiです。
今回は看護師なら誰でも知っておくべき法律知識をまとめました。
まずは、看護師さんが訴訟されてしまった案件を一緒に見ていきましょう!

看護師が実際に訴訟されてしまった案件

例1:静脈注射により右橈骨神経不全麻痺を発症

患者Xは、昭和25年5月23日生まれの男性で、腎結石のため、平成2年末ころから、Y市が開設するY市民病院(以下「Y病院」という。)の泌尿器科に通院して治療をうけていた。

Xは、平成4年4月4日、Y病院泌尿器科を受診してK医師の診察を受けた。Xの疼痛の原因として尿路結石が疑われたため、K医師は、自排石を促すためにソリタT3(500ミリリットル)の点滴を行い、痛みに対してはボルタレン坐薬を処方することにし、また、単純CT検査も行うことにした。

Y病院の看護師が、上記ソリタT3の点滴をするために注射器をXの右腕の肘関節上部外側に刺(以下、本件注射という)したところ、Xは、注射針の刺入部位付近から右腕の指先にかけて鋭い痛みを感じたが、その後は痛みも治まり、途中で部屋を移動し、点滴が続けられた。

Xは、上記の点滴を行う前は右手に異常を感じたことはなかったが、点滴終了直後、手足の先が痺れたような感覚や頭がぼうっとした感じを覚え、翌日には右手の肘部が腫れ上がり、手に力が入らず、食事中に箸を落としたり、字も書けない状態となった。その後XはY病院や他院を受診した。

Xは、同年12月17日、他院の脳神経外科を受診し、同年4月4日のY病院での点滴後、右腕の痛みや脱力感が生じたこと等を説明し、右肘部分の痛みや頭痛を訴えた。

同年12月17日のXの握力は、右15キログラム、左24キログラムであった。診察にあたったO医師は、Xに右橈骨神経支配領域の皮膚知覚の鈍麻、右手指伸展障害、右手関節背屈障害、右握力低下が認められたこと等から、右橈骨神経不全麻痺であると診断した。

(判決による請求認容額)
裁判所の認容額 330万円

例2:看護師が予防措置をしなかったことで。。。

こちらの事例は長いので、要約版だけ載せておきます。事例の原文を読みたい方はこちらからお読み下さい。

【事例要約】
麻疹と重度の肺炎の疑いのある患者が入院していました。
その患者は自力で動けないため、一定時間おきに体位を変える必要があったのですが、看護師がそのような対応を怠ったために、患者が褥瘡を患ってしまいました。

法廷では、看護師の過失の有無を争うことになり、結果的に裁判所から120万円の支払い命令がなされています。

看護師は数ある法律の中でも○○法を学ぶべき!

先ほどの2つの事例を見て頂ければ分かるかと思いますが、
このような法律を知らなかったから訴訟をされてしまったというようなケースは少なく、仕事上のミスが原因で訴訟されてしまったというケースがその大半を占めます。

そのため、私たち看護師が訴訟を避けるためには、毎日の仕事を丁寧に行なったり、患者さんとの信頼関係を築きあげることが何よりも大切です。法的な知識を身につけて理論武装してもあまり意味はありません。

それでは、私たち看護師は法律知識を身につける必要はないのでしょうか?
いいえ、それは違います。

わたしYukiは看護師なら、というより労働者なら全員「労働法」は一通り学ぶべきだと考えています。労働法を知らないと、数十万といった額のお金を知らずのうちに受け取りそびれている可能性もありますよ。

次の章では、看護師が知っておくと得する労働法をまとめてみました。

看護師が知って得する労働法まとめ

有給制度

この記事でも書きましたが、有給休暇は全労働者が受け取ることのできる労働者の「権利」です。決して職場の好意に基づいて提供されるサービスではありません。

また、パート勤務の看護師さんでも勤務日数や勤務時間に応じて有給休暇を貰うことができます。
2年もその職場で働いていたら、5万円分の有給休暇は溜まっているのではないのでしょうか。

夜勤免除

労働基準法によれば、妊娠中の女性は夜勤免除を受けることができます。

2.労働基準法における母性保護規定
(5)妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制限(法第66条第2項及び第3項)
妊産婦が請求した場合には、時間外労働、休日労働、又は深夜業をさせることはできません。
引用元:厚生労働省

しかし、これも「妊産婦が請求した場合」となっていますので、やはり労働法を知っているか知らないかだけで損得が変わってきますね。

失業保険

失業保険と聞くと、会社からリストラにあった人のみ適用されるのではないかと思ってしまいますが、自主的に退職した場合でも、失業保険は適用されます。

働いていた期間やその時の給与、そして年齢によっても貰える失業保険の額は変わってくるのですが、失業保険だけで数十万円の手当てを受け取ることも可能です。

看護師が失業保険を貰うための条件はこの記事にまとめましたので、詳しくはそちらをご覧下さい。

コメントをかく

*
*
* (公開されません)