看護師の産後復帰と訪問看護
看護師の産後復帰には訪問看護ステーションがおすすめです!!
訪問看護ステーションとは、在宅での継続した医療を必要とする患者さんや、「要介護」認定をされた通院が困難なお年寄りのお家に訪問し、医療行為や生活のサポートを行う機関です。
訪問看護ステーションと聞くと、
と思われるママ看護師の方も大勢いるかと思います。
しかし!実際は、そのネガティブなイメージとは真逆で、訪問看護ステーションは、我々看護師が産後に再就職する職場として最適なものなのです。
子育てをしながら訪問看護ステーションで働くママ看護師や、産後の再就職先として訪問看護ステーションを選ぶ看護師は現に沢山います。
今回は、実際に産後の再就職先として訪問看護ステーションを選んだわたしが、看護師の産後復帰に、なぜ訪問看護ステーションが最適なのか、力説(?)したいと思います!笑
訪問看護ステーションが看護師の産後の再就職先におすすめな理由その①フレキシブルな勤務体系
訪問看護ステーションで常勤の看護師として働いた場合、平日週5日、毎日7時間~8時間ほど勤務することになりますが、一般病棟と違い夜勤が全くないので、子どもを保育園に預けておけば、仕事と家庭の両立が可能です。また、クリニックや一般病棟でも、交渉次第では夜勤のない働き方も可能いえば可能ですが、一般に、クリニックや一般病棟ではシフト制の勤務体系であることが多いので、子どもが急に熱を出した時や、シフトと子どもの学校行事が被ってしまった時には、家庭と仕事、どちらかを犠牲にする必要が出てきてしまいます。
一方訪問看護ステーションは、クリニックや一般病棟のようにシフト制の勤務体系ではなく、「1日に○○件の利用者のお宅を訪問する」といった業務体系で運営されているので、子どもが急に熱を出すなどといった緊急事態が起こっても、周りの同僚の助けを借りることで、休みをとることができ、家庭と仕事の両立が可能です。また、訪問看護ステーションでは子育てをしながら看護師をやられている方が多いので、当然自分が同僚の欠員をカバーする必要も出てきます。。。
訪問看護ステーションは、クリニックや一般病棟と違い、看護師同士がお互いに助け合って働くことのできる環境が整っているということですね!
訪問看護ステーションが看護師の産後の再就職先におすすめな理由その②訪問看護ステーションには夜勤がない
先ほども述べましたが、訪問看護ステーションには夜勤がありません。そのため、夜勤があるから保育園のお迎えに行けないだとか、夜勤があるからお夕飯のしたくが出来ないなどといった事態は訪問看護ステーションで働く上では絶対に起こりません。
ただ、訪問看護ステーションには夜勤はないのですが、一般病棟の「緊急」に相当する「当番制」というものがあります。自分が当番の日には携帯電話を渡され、その夜電話が鳴れば、緊急事の対応を行います。
とがっかりされる方もいるかと思いますが安心して下さい、この「当番制」ですが、月に何度もまわってくるものではありませんし、緊急事態が起こったとしても、自分1人で対応するのではなく、センター長や他の同僚と協力しながら対応します。
ここまでの記事を読んで、
と思われた読者の方も多いかと思いますが、1つだけ気をつけてもらい点があります。それは、訪問看護ステーションの給料です。一般に、産後訪問看護ステーションに再就職すると、出産前、看護師として働いていた時よりも給料は下がると言われています。これは訪問看護ステーションが低賃金だからということでは決してなく、(むしろ基本給はクリニックや一般病棟よりも多いかと思います)訪問看護ステーションには夜勤手当がつかないからです。夜勤がないから手当がつかないのは当たり前ですね。笑
一般病棟で働いていた時よりも給料が下がることを嫌がり、訪問看護ステーションで働きたがらない方もいるのですが、わたしの場合は夜勤明けにはストレス発散のためにお金を余計に使ってしまいがちなので、夜勤がない方がむしろお金はたまるかなあと思っています。笑
産後、子どもの教育資金を堅実に貯めたい看護師の方には、訪問看護ステーションはうってつけの再就職先ということですね!笑
訪問看護ステーションが看護師の産後の再就職先におすすめな理由その③将来役立つスキルが身につく
といった看護師の方も多いかと思います。実際わたしも訪問看護ステーションで働く前はそう思っていました。笑
ただ、訪問看護ステーションで働くメリットは、なにも夜勤がないことや勤務体系がフレキシブルという点だけではありません。これは実際に訪問看護ステーションで働いてみないと分からないかと思うのですが、訪問看護では、一般病棟と比べ、1人の患者さんに深く、また長い期間関わることができるからか、職場の雰囲気がとてもゆったりとしています。一般病棟のように殺伐とした訪問看護ステーションはあまりないかと思います。笑
しかし、子どもが保育園を卒園し、手がかからなくなった今でも訪問看護ステーションで働いているのは、何も訪問看護の雰囲気が自分に合っているからというだけではありません。
訪問看護という医療分野に高い将来性を感じているからです。
実は、訪問看護はめちゃめちゃ将来性が高い医療分野です
このグラフを見て下さい。
このグラフを見るとわかるように、少子高齢化の影響で近い将来必ず日本の病院のベット数は足りなくなります。(これを2025年問題といいます。)
と思われる方もいるかと思いますが、2025年問題は必ず起きます。それではこれから、日本に大勢の高齢者が溢れるプロセスを一緒に見て行きましょう。
まず、仮に2017年の、57歳~64歳の人間の年間死亡率を1%、57歳~64歳の日本人の人口2000万人、65歳以上の人間の年間死亡率を5%、65歳以上の日本人の人口3000万人としましょう。
すると、8年後の2025年には、65歳以上の高齢者の人口が3000 – 3000*0.05*8 + (2000 – 2000*0.01*8) = 3640万人と増加することが分かりますよね。このように、将来の人口の推定は非常に高い精度で行うことができます。決してノストラダムスの大預言や地震予告のようにインチキではありません。
大げさに数式を使ってしまいましたが、今いる若年層のうちの一定数が高齢者となってしまうため、日本は必ず高齢化社会になってしまうということです。話が少しそれましたが、政府は高齢者が増えすぎて病院のベット数が足りなくなる「2025年問題」をどのように解決しようとしているのでしょうか??勘の鋭い方ならもうお判りになっているかもしれません。
そう、政府は現在、訪問医療を強化することで2025年問題を解決しようとしています。実際に前回の保険点数の見直しで訪問医療への診療報酬の増加がなされています。
平成 28 年度診療報酬改定の基本方針
引用元 :厚生労働省
今はまだ、マイナーな訪問看護ですが、将来的に訪問看護は必ずメジャーになっていくので、わたしは一般病棟で働くよりも訪問看護ステーションで働いた方が、看護師としての将来性は高いのではないだろうかと感じています。
また、いずれ一般病棟で働く事となったとしても、患者さんが自宅で普段どのように生活をしているのかを知るということはとても大切なので、1度は訪問看護を経験してみる事をお勧めします。(今は一般病棟でもブランクのある看護師さん向けの研修制度が整っているので、産後は訪問看護師として経験を積み、子どもに手が掛からなくなったら一般病棟に再就職という事ももちろん可能です。)
そもそも子供が何歳になったら再就職するべき?
現在訪問看護ステーションで働いている看護師の同僚に話を聞いている限り、下の子どもを保育園に預けることができるようになってから訪問看護師として職場復帰する方が多いです。また、シングルマザーの看護師の友達は、子どもはまだまだ小さいですが、実家の両親に子どもを預けながら看護師として働いています。
そのため、実家の両親や保育園などといった、子育てを補助できる環境が整っているのなら、子どもの年齢関係なく、看護師として職場復帰できるかと思います。ただ、このような女性の産後の職場復帰の話を女友達にすると、
だとか
といった愚痴をよく聞きます。看護師の方はもともと自立した考えを持った方が多いので、彼女らのように産後の職場復帰をためらう事はあまりないかもしれませんが、
パートナーの稼ぎが十分にあったり、パートナーが公務員などの安定した職種の場合は、
といった気持ちにもなりますよね。実際わたしも産後職場復帰するかどうかはとても迷いました。しかし、今となっては産後早めに訪問看護師として職場復帰をして本当に良かったと思っています。というわけで、次は同じ看護師の立場から、私たち女性が産後も働いた方が良い理由について力説したいと思います!笑
わたし達看護師が結婚後や産後も働いた方が良い理由
ひと昔前は、一流企業に勤める旦那&専業主婦といった夫婦が一般的でした。しかしこれは日本が右肩上がり成長している時代だからこそ、成り立っていたのであって今やこういった夫婦の形は時代遅れです。
最近だと、誰もが知る、一流企業のシャープや東芝も経営不振から大幅な人員削減(リストラ)を行いましたよね。もはや安定した優良企業といったものはこの時代存在しないのです。
7000人リストラ説のシャープ、若手技術者達の胸中を直撃
引用元:ライブドアニュース
いいえ、警察庁や自衛官などの公務員だって民間企業と一緒です。国の方針1つで人員が大幅に削減される事や、給料が何割か削減される事は十分にありえます。実際に2011年の東日本大震災の後、公務員の給料の割は復興費用として削減されました。
国家公務員給与を削減する特例法が29日の参院本会議で採決され、与野党の賛成多数で可決、成立した。これは民主、自民、公明3党が共同提案していたもの。2011年度人事院勧告(人勧)を昨年4月にさかのぼって実施した上で、12年4月から14年3月まで人勧分(平均0.23%削減)を含めた平均7.8%の給与削減が行われる。削減分の約5800億円は、東日本大震災の復興財源に充てられる。
国家公務員 給与削減方が成立
引用元:公明党
まとめると、今や安定した旦那の収入など存在しないので、収入源を旦那一人に偏らせてしまうという事はとてもリスキーだという事ですね。私たち看護師もしっかり働いて収入源を分散させましょう。
などと子育てを職場復帰の言い訳にしない方がいいかと思います。きちんと子どものことを思うなら、早く職場復帰して第2の収入源をしっかりと確保するべきです。
それでも職場復帰にためらいがある看護師の方には訪問看護ステーションに非常勤で働くことをお勧めします。
といった方には、訪問看護ステーションで非常勤で働くことをお勧めします。実は、訪問看護ステーションで働く看護師のおよそ半分は非常勤勤務です。
実際にの働いている訪問看護ステーションでは、常勤、非常勤問わず職員が皆助け合って業務を行なっています。非常勤の職員だから立場が弱いなどという事は全くありません。職場復帰に抵抗のある方は、まずは非常勤で訪問看護ステーションに勤務してみる事をお勧めします。
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ここまでお読みいただきどうもありがとうございます。
そして皆様1つ疑問があるかと思います。
すみません自己紹介が遅れました> <
自己紹介
Yukiと申します。
わたしが訪問看護ステーションに勤めるまでの経歴をざっと説明しますと
22歳 看護学校卒業、その後3年間大学病院の急性期科に勤務。
25歳 長男出産
26歳 次男出産
29歳 子育てがひと段落したので職場復帰を希望。当初は大学病院に再就職することも考えましたが、色々なご縁に恵まれ、訪問看護ステーションで訪問看護師として再就職。
3?歳 訪問看護ステーションの設立を夢見ながら、訪問看護師として活躍中。
といった感じです。
このサイトですが、
①訪問看護ステーション設立に向け、自身の知識の整理用として
②産後の職場復帰には訪問看護ステーションが最適だということをもっと多くの看護師の方に知って欲しくて
設立しました。
なぜ、わたしが訪問看護ステーションで働こうと思ったのか、といった物語風にこの記事にまとめましたので、興味のある方はぜひこの記事を読んでみて下さい。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました(*^^*)
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