夜勤を続けると寿命が縮むってホント??

夜勤をしていると寿命が縮む??


こんにちは、訪問看護師のYukiです。
今回は夜勤と寿命というテーマで記事を書いていきたいと思います。

一般的には『夜勤をすると寿命が縮む』と言われていますが、果たしてこの説は本当に正しいのでしょうか??ネット上を調べてみても、学術的な根拠に乏しい記事しか見当たらなかったので
科学的な根拠に基づいて『夜勤で寿命が縮むのか』ということの真偽についてまとめてみました。是非、最後までお読みください(*^^*)

夜勤で寿命が縮むという学術的な根拠

フランスの論文


夜勤に関する学術的な論文としてはこれが一番有名ですね。
しかし、論文が古いためか、その全文をインターネット上で手にいれることはできませんでした。。。朝日新聞に掲載された、論文の要約版を掲載します。

夜勤者は10年短命 フランス政府の委託で「ヴィスナール教授が二万人の交代勤務労働者を対象に調査した結果、夜勤は寿命を10年以上縮めるとの結論が出た。夜勤労働者に最初にあらわれてくる症状はイライラ、意気消沈、不眠と胃病、これが次第に健康をむしばむ。そこで同教授はフランス当局にたいして、夜勤交代労働は10年以上させないことにするとか、そのあとの就職あっせんや再教育の機会を保障することを要求した」
引用元:『朝日新聞』1976年11月20日

フランスのヴィスナール教授が行なった調査によれば、夜勤を頻繁に行なっている労働者はそうでない労働者に比べて、なんと10年も寿命が短いそうです。

しかし、この時代の日勤労働者と夜勤労働者は待遇にものすごく違いがあることも確かです。
そのため、夜勤をする→寿命が縮むというよりは、

この時代の夜勤労働者は待遇が悪い→必然的に栄養状態に差が出る→日勤労働者と比べて寿命が短くなる という解釈の方が正しいような気もします。

製造業と銀行の論文

問診票は,自己申告であるので,正確さはあまり期待できないが,既往歴の記載において,胃 ・十二指腸潰瘍 はAに多く,Bの人達は,高血圧,胆石,尿 路結石, 肝疾患 …既往症の全部においてAより多かった。全体的に,Aに は夜勤が多いが,夜勤があると,間食,喫煙量など健康にマイナス因子が増えるものと考えられる。
註)Aが製造業の職員でBが銀行員
引用元:職業の健康に及ぼす影響

この論文では、夜勤の多い『工場労働者』と夜勤の全くない『銀行員』という2つの職種を比較して、夜勤のあるなしが健康状態に影響を及ぼすかどうかを調査しています。

そしてその調査結果は、夜勤は間食や喫煙の頻度に影響を及ぼすので、『工場労働者』の方が十二指腸潰瘍にかかりやすいとのことでした。

やはり、夜勤が直接的に寿命に影響を及ぼすというよりは、夜勤が原因で崩れた生活習慣が健康に影響を及ぼすようですね。

夜勤が多い看護師の発がんリスク

この論文では、夜勤が看護師に及ぼす影響についてまとめられています。
具体的には、
・夜勤をするとヒヤリハットが増えるということ
・夜勤が増えると離職欲が高まること
・夜勤が多い看護師は乳がんの発症リスクが2倍以上になること
などが述べられていました。

何故、乳がんの発症リスクを調べたのかは分かりませんが、どうやら夜勤が多いとホルモンバランスが乱れ、それが乳がんの発症リスクに影響を及ぼしていそうですね。

ちなみに、ですが、看護師の夜勤体制のおかげで、医療制度が充実し、結果として日本の平均寿命は伸びたという論文もありました。

『夜勤をすると寿命が縮む』という俗説は正しい??

夜勤と寿命に関しての研究論文をいくつか読んでみたのですが、私は、夜勤をすると寿命が縮むというよりは、夜勤によって崩れた生活習慣が寿命に影響を及ぼすという解釈の方が正しいかなと感じました。

また、健康に気を使う人は初めから夜勤手当目的で夜勤なんかしない、収入を増やすために夜勤の回数を増やす人たちは健康に無頓着なのだがら、彼らの寿命が短くなるのは当然だという見方もできるかと思います。

夜勤で寿命を縮めないためには??

どのくらいのペースでの夜勤なら寿命に影響は出ないのかな??

とお思いの方も多いかと思います。

しかし、繰り返しになりますが、夜勤で寿命が縮む本当の原因は生活習慣が崩れることです。
そのため、週1ならば夜勤をしても健康に影響が出ない!というようなことはなく、むしろ夜勤後にどう生活リズムを立て直すのか、ということの方が重要なのではないでしょうか。

夜勤は寿命をお金に替える行為


もちろん夜勤をしてくれる人がいるから深夜でも安心してサービスを利用することができるのですが、夜勤は寿命をお金に換金する悪魔の取引です。

わたし自身、一般病棟に勤めていた時は『夜勤に入ると手当が貰えるからラッキー』などと安直に考えていたのですが、今はもういくらお金を貰えるとしても夜勤をやりたくはありません。生活リズムが崩れてしまうので。。

どれくらいお金を稼ぐかよりも、お金を使ってどう幸せに生きるかが大切だと思っています。

夜勤のない職場で働いてみませんか??

看護師の方限定になってしまうのですが、訪問看護ステーションには夜勤がありません。

わたしを含めて、子育てと仕事を両立する職員が多いくらい、そこでのQOLは保証されています。訪問看護に興味のある方は、是非『訪問看護で働きたい方へ』のカテゴリーの記事をお読みください(*^^*)

コメントをかく

*
*
* (公開されません)