訪問看護に関するニュースまとめ

訪問看護に関するニュースまとめ


こんにちは、訪問看護師のYukiです。
今回は、訪問看護に関する新聞記事の中から、私Yukiが気になったものをいくつかピックアップしてまとめて見ました。

これから訪問看護を始めたいと考えている看護師さんにとっても、お役に立つ内容となっていますので、是非最後までお読み下さい(*^^*)

訪問看護とセクハラ

暴言にセクハラ、果ては性的暴行…。1人で患者宅に赴き、看護や介護にあたることが多い訪問看護師が患者や家族から受ける被害が後を絶たない。神戸市看護大が平成27年度に行った調査では、約5割が「暴力を受けた経験がある」と回答した。

対策の議論が進まない中、神戸市では1月、医療関係者や弁護士、大学教授らを招き、民間による訪問看護師を守るための対策を考える検討会が発足。

兵庫県も今年度から、2人以上で対応した事業所に対して、一定の補助金を支出する財政支援と相談の受け付け事業を始める。被害を受けて傷ついた訪問看護師の離職を防ぐためにも対策は急務だ。

引用元:「ぶっさいくやのー」暴言にセクハラ、性的被害…訪問看護師「暴力を受けた経験5割」の衝撃

Yukiのコメント
いきなり暗い話題のニュースを取り上げてしまい恐縮です。
ですが、この記事の通訪問看護師の2人に1人が利用者さんからセクハラやパワハラを受けているのでしょうか??いいえ、それは間違いです。

この記事でも書きましたが、このアンケートではいわゆる統計上のマジックが使用されています。というより、そんなに訪問看護の現場でセクハラが横行していたら訪問看護師なんてとっくに絶滅していますよね。笑

訪問看護に対する新たな需要「看多機」

認知症や中重度の要介護高齢者が、住み慣れた地域で生活できる介護保険サービスとして注目されているのが「看護小規模多機能型居宅介護」。通称「看多機(かんたき)」だ。

訪問看護だけでなく「通い」「泊まり」など複数のサービスを柔軟に組み合わせて使え、医療的なケアが必要な人にも対応できる。しかし看護師など人材確保が難しく、広がっていない。

(中略)

看多機は、「訪問介護」「通い」「泊まり」のサービスを備え2006年に始まった「小規模多機能型居宅介護(小多機)」に「訪問看護」を加えたサービスだ。12年に「複合型サービス」としてスタート、15年度に名称を変更した。

看多機の基本的な月額利用料は要介護度ごとに定額で、1割負担だと1万2341円(要介護1)~3万1141円(同5)となる。

ただ看多機の昨年10月時点の事業所数は全国で330カ所にとどまる。看多機の4割は「小規模多機能型居宅介護」から、3割は「訪問看護ステーション」からの移行組。

「ホーム」を運営する看護師の林田菜緒美さんは「訪問看護だけで患者さんを地域で支えるのは限界だと感じて始めた。看多機は、利用者や介護家族のメリットも大きく、地域生活を支える要になる」と話す。

課題は「泊まり」「通い」を受け入れる事業所の整備と効率的な運営、看護師の人材確保。。横浜市では17年度中に21カ所の整備を計画したが、14カ所にとどまる見通し。担当者は「看護師不足で事業者から手が挙がらない」と話す。

日本看護協会の斎藤訓子副会長は「看護職員の8割は病院や診療所で働く。在宅に関わる看護師の育成が必要だ。また看護師を基準より手厚くして医療依存度の高い人のケアをする事業所を報酬で評価することも求められる」と指摘する。
引用元:2018年度 同時報酬改定 複数サービス、柔軟に提供

Yukiのコメント
在宅医療への需要の増加に伴い、看護師が直接利用者のもとへ訪問する「訪問看護」や訪問看護に「泊まり」の機能を加えた「看多機」への需要は急激に増加しています。
「看多機」は2006年から始まったサービスですが、「看多機」で働く能力を持っている看護師さんの数は依然として少ない状況です。

訪問看護ステーションで働き、「看多機」で働ける能力を養えば、先行きが不明な日本の医療業界の中で圧倒的にレアな人材になれるのではないでしょうか。

訪問看護と医療ロボット

岡山博愛会病院(岡山市中区江崎)は、自宅や施設で療養する高齢者らと院内の医師を結ぶコミュニケーションロボット「OriHime(オリヒメ)」を1台導入した。ロボットを介して会話したり、患者の状態を医師が動画で確認したりでき、遠隔診療などでの本格活用を検討している。

オリヒメは丸みを帯びた白い胴体に、頭と翼のような両腕が付いており、高さ約21センチ、幅約15センチ。インターネットに接続したパソコンやタブレット端末で遠隔操作でき、搭載カメラで撮影した動画を見ながらロボットのそばにいる人と話すことができる。腕を動かすことも可能。

レンタルを行っている開発主体のオリィ研究所(東京)によると、病気や育児などで出勤できない人が代わりに会議に出席させるなど仕事での利用が目立つ。同病院は医療や介護現場で役立つと考え、6月から1台をレンタル。県内での導入はほとんど例がないという。

特別養護老人ホーム(特養)の入所者や訪問看護先の在宅高齢者の診療などで6月中に十数回運用。家の中の様子を見たいという入院患者の自宅に持ち込んで願いをかなえたケースもある。
引用元:離れた患者 ロボットで「診療」 岡山博愛会病院、会話や動き確認

Yukiのコメント
医療用ロボットが発達すると、訪問看護師の仕事はなくなるのではないかと懸念される看護師の方もいらっしゃるかと思います。

しかし、この記事でも書きましたが、ロボットやAIは簡単な情報の処理(情報伝達など)は得意ですが、診断や観察などといった複雑な判断は依然として苦手です。そのため、訪問看護の仕事が医療用ロボットに代替される可能性は今後も低いでしょう。

むしろ、医療用ロボットを活用することで、医師との連携がスムーズにとれるようになるので、訪問看護の仕事ももっとやりやすいものになるかと思います。

精神訪問看護に対する感謝の声

もう、30年も前のことだ。埼玉県精神障害者家族会連合会の会長を務める飯塚寿美さんの息子は、中学校の成績がどんどん下がっていった。

おかしいと感じたが、高校受験のストレスだと思った。懸命に励ましなんとか入学できたが、ほとんど登校できなかった。「空っぽの高校生活を送らせた」。後悔が今も胸を締め付ける。

異変に気付いてから4年後。家で暴れたのがきっかけで初めて受診した。心の問題とは感じたが、精神疾患と思っていなかったという。いったんは持ち直したが再発した時は入院せざるを得なかった。だが、社会から隔離された施設で長期の生活を送ってほしくない、と飯塚さんは考える。

「病室と家庭では患者が医師にみせる表情が違う。家庭に出向いてくれる機会があれば」。専門家による支援の広がりを全国に呼びかける。精神の病は病状が知られていないうえ、差別や偏見が強い。病とわかっても、家族は患者を抱え込みがちだ。

精神疾患の疑いがあり引きこもる人や病状が不安定な人を、医師や看護師らが訪問看護するのが「アウトリーチ」と呼ばれる医療だ。入院治療に頼りすぎる現状から脱しようと厚生労働省は2011年度から3年間、「精神障害者アウトリーチ推進事業」を試行的に実施。地域で暮らせる環境整備を進めている。

統合失調症の息子ヨシオさん(40)の暴力に悩んでいた東京都立川市のサチコさん(73)=いずれも仮名=は4年前から、市内の訪問看護ステーション「卵(らん)」の訪問看護を受け入れている。市からの紹介がきっかけだった。

ヨシオさんは8歳で登校拒否となり、17歳で精神科に入院した。難産の末生まれてきた息子にサチコさんは愛情を注ぎ、いくつもの医療機関を受診させた。在宅での看病を貫いてきたが、暴力が激化。夫と息子のもみ合いを止めようとして後頭部を棚にぶつけ、7針縫ったこともある。5年前には1年のうちに3回、警察を呼んで措置入院に至った。「家族だけでは同じことの繰り返しになる」と訪問看護を申し込んだ。

「ぶっ殺すぞ」。初めて訪問したスタッフをヨシオさんは脅した。だが「来るな」とは言わず、反応をうかがっているようだった。「一緒にしたいことはありますか」。精神保健福祉士の原子英樹さんが問うと「コーヒーが飲みたい」と即答した。

ヨシオさんはたくさんの抗精神病薬の影響で手が震え、インスタントコーヒーを自分で作れなかった。要望を通すには腕力に訴えても、母を動かすしかないと思っていたのだろう。そう見抜いた原子さんは「また一緒に飲みましょう」ともちかけ、次の訪問はあっさり受け入れられた。

(中略)

訪問看護ステーション「卵」を運営する「円グループ」代表の寺田悦子さんは、「暴力は家族が許容することで激化し、深刻化して初めて行政や医療につながることが多い。患者は第三者に暴力を振るうことは少ない。患者も、ほかに支援者がいることで病気や障害を受け入れ、時間はかかりますが、変わっていきます」と話す。
引用元:訪問看護で暴力和らぐ

Yukiのコメント
精神疾患を抱える患者さんは、家族に暴力を振るうことはあっても、医療従事者をはじめとする第三者に暴力を振るうことは少ないため、精神訪問看護は有効な治療法の1つなのですね。

また、この記事でも書きましたが、精神疾患の利用者さんを受け入れる精神訪問看護ステーションと、一般の利用者さんを受け入れる訪問看護ステーションは別の者ですので、訪問看護師が全員精神疾患を抱える利用者さんの元へ訪問をするわけではありません。

訪問看護に対する感謝の声

10月、さらに強い痛みがあり、血を吐き、ベッドの上でのたうち回った。「私、年を越せるかしら」。クリニック川越に併設する「訪問看護パリアン」の看護師貫井陽子(ぬくいようこ)さん(33)につぶやいた。

痛みが出た時は、夜中や未明でもパリアンに電話すると看護師や医師がかけつけてくれた。「ここまでしてくださるなら、最期まで緩和ケア病棟ではなく、家でお世話になろう」。近くに住み、連日通った長女の中沢愛さん(39)に、山崎さんはそう伝えた。

このころ、訪問看護師に「手紙を残したい」と相談した。そこで紹介されたのがボランティアの野本(のもと)ちさとさん(58)だった。

ボランティアはパリアンとともに活動し、在宅患者を定期的に訪れ、散歩や買い物の手伝い、話し相手をする。山崎さんは野本さんに、子どもたちや孫、ふるさと島根県の思い出を話した。野本さんは「いろいろな方々への感謝を伝えたいんだな」と感じた。

相談しながら文章を決めた。野本さんがパソコンで打ち、きれいなびんせんに印字した。山崎さんが手書きの言葉をひとことずつ添えた。

野本さんは金曜日に山崎さんのもとに通った。同じボランティアの中村景子(なかむらけいこ)さん(64)と田中紀公子(たなかきくこ)さん(59)は水曜日に通い、いつもおしゃべりをしながら笑った。3人は、「病院だったらこんなに笑って話すこともできなかったろう」と思う。

引用元:手紙(2)感謝 助け借りて記す

Yukiのコメント
わたしも利用者さんから、感謝のお手紙を頂くことが結構ありますが、間違いなく仕事への原動力となっています。

病院と違った仕事をしたい看護師の方、患者さん1人1人と密接に関わった医療を行いたい看護師さんにとって、訪問看護は最適な職場です。

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