看護師が労災認定されるケースまとめ
看護師と労災認定について
こんにちは、訪問看護師のYukiです。
皆さまは、『労災』という制度を詳しくご存知ですか??医療の現場では、製造業のように事故が多発するようなことなど無いので、労災についえあまり関心がない看護師の方も多いかと思います。
しかし、労災認定の知識は私たち看護師も知っておいて損はないと思うので、今回は『看護師と労災』というテーマで記事を書いていきたいと思います。
どのような時に我々看護師が労災認定を受けることができるのか、逆にどういったケースでは労災認定を受けることができないのかということについても触れていきます。
そもそも労災保険って何??という看護師の方にも、分かるよう丁寧に記事を作成しましたので、是非最後までお読み下さい(*^^*)
そもそも労災保険って何??
前回は失業保険について解説をしましたが、労災保険と失業保険はよく似ています。
労災保険とは、簡単に説明すると、『労働者が業務中に事故に巻き込まれた場合、その怪我の治療費を保証する制度』です。
失業保険と同様労災保険は、労働者の味方となる制度ですが、失業保険と違い、労災保険の掛け金は全額雇用者の負担となります。
労災保険の認定条件
労災認定を受けるためには、以下の3つの条件を満たしている必要があります。
①「業務上の事由」または「通勤」に起因していること
②被災者が「労働者」であること
③労働者に負傷、疾病、障害、死亡等が生じたこと
それでは、順を追って見ていきましょう!
①「業務上の事由」または「通勤」に起因していること
いくら怪我をしたと言っても、例えば自宅での怪我などといった業務に関係ない範囲で起きた怪我に労災保険は降りません。しかし、通勤は業務の一環といして見なされていますので、通勤中に起きた怪我や事故は労災の範囲内です。
②被災者が「労働者」であること
労災保険は労働者を守る制度ですので、労災保険は労働者にしか適用されません。そのため、経営者がいくら業務中に事故に巻き込まれても、それは労災の範囲外です。
③労働者に負傷、疾病、障害、死亡等が生じたこと
労働者に怪我や失業が生じた時に、労災保険は適用されます。労災保険と聞くと、なんだか業務中に起きた事故のみ適用されるんじゃないかと思い込みがちですが、職場でのいじめが原因で精神を病んでしまった場合も、『業務に起因した疾病』に当たりますので、労災保険が適用されます。
労災保険でわたし達看護師はいくら貰えるの??
労災保険でいくら貰えるかは、事故や疾病の種類によって様々です。
具体的に労災保険が降りる7つのケースとともに、労災保険でもらえる額を一緒に見ていきましょう。
①療養給付
労災が原因で発生した治療費は労災保険が全額保証してくれます。
「労災指定病院」で治療を受ければ、病院が国に直接治療費を請求してくれますので、治療費を建て替える必要もありません。
②休業給付
労災が原因で、休職をしている場合、休んでいる期間の給料の8割が労災保険によって保証されます。
③傷病年金
業務が原因で発生した怪我が重く1年半経っても治らない場合発生する給付金です。もらえる給付金の額は傷病の重さによりますが、賃金の245日~313日分ほど貰えます。
④障害給付
業務中に起きた事故によって後遺症を負った場合発生する給付金です。その症状の重さによって貰える給付金の額は変わってきますが、賃金の131日~313日分ほどのお金が支給されます。
傷病年金に比べて症状の重さによる段階分けが細かいです。
⑤遺族給付
労災が原因で労働者が亡くなってしまった場合、
亡くなった労働者の収入によって生活していた遺族がもらえるお金です。
⑥葬祭給付
遺族給付だけではなく、遺族の葬儀代も労災保険によって保証されています。
⑦介護給付
労災が原因で介護が必要になってしまった場合、介護給付を受け取ることができます。
しかしこの介護給付は認定が厳しく、普通にわれわれ看護師が働いている場合、認定されることはほぼないのでここでは割愛します。
看護師が労災認定をされるケース
①院内感染
院内感染が原因で、病気になってしまった場合も労災保険が適用されます。
このパターンでは、①療養給付と②休業給付が適用されるかと思います。
②パワハラ
先ほども軽く紹介しましたが、いじめが原因で精神を病んでしまった場合にも労災保険が適用されます。実際に労災認定を勝ち取った看護師さんの例を発見しましたのでここで共有しておきます。
看護師が労災認定をされないケース
①訪問看護中、寄り道をして事故に巻き込まれた
この場合は、通勤中ではなく、自分が勝手に寄り道をして事故に巻き込まれただけですので労災認定はされないでしょう。労災認定を貰うどころか、寄り道がバレた場合は最悪減給の可能性もありますので、労災の申請はしない方が賢明でしょう。笑
②病院の飲み会で酔っ払って怪我をした
この飲み会が業務上必要なものだとしたら、労災認定はおそらくされますが、個々が勝手に開いた飲み会で暴れて怪我をした場合は労災認定はされないでしょう。
まとめ
労災認定を受けるには
①「業務上の事由」または「通勤」に起因していること
②被災者が「労働者」であること
③労働者に負傷、疾病、障害、死亡等が生じたこと
の3つの条件を満たす必要があります。労災と聞くと、事故しか適用されないんじゃないかと想像しがちですが、パワハラやいじめが原因で精神を病んでしまった場合にも労災保険は適用されます。
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