訪問看護に就職する上で抑えておきたい事

訪問看護に就職するために必要な知識まとめ

こんにちは、訪問看護師のYukiです。
今回は訪問看護に転職したい看護師の方に向けて、必要な知識を1つにまとめた記事を書いていきたいと思います。この記事を読めば、訪問看護の転職に必要な知識は全て身につくので、最後まで読んで頂けると嬉しいです(*^^*)
わたしが昔
訪問看護 就職 と調べた時は
『訪問看護の平均年収は500万円です!だから訪問看護に転職しましょう!』だとか『訪問看護師として働くには最低3年の臨床経験が必要です!!』

みたいな嘘か本当か分からない、ふわっとした情報を載せているサイトばかり出てきて困った記憶があります。というわけで私は、わたしの訪問看護師としての経験を交えながら、具体的な内容を皆様にお伝えしていきたいと思います。

訪問看護の仕事概要

以前、訪問看護の1日の仕事内容を記した記事を書いたので、そちらを引用しておきます。

 1軒目の訪問
Aさんのお宅は訪問看護ステーションの近くにあるので、自転車に乗ってAさんのお宅まで向かいます。Aさんは、難病で寝たきりの状態です。

Aさんのご家族は、いつもホッとした表情でわたしを出迎えてくれるので、嬉しいです。
バイタルサインの確認、清拭、体位交換を丁寧に行い、胃瘻をセットして1軒目の仕事は終了です。

あっという間に30分という時間が過ぎてしまいました。帰り際、ご家族から、またお願いしますという言葉をいただき、仕事へのやる気が上がります。
2軒目の訪問
Aさんのお宅からBさんのお宅までそのまま自転車で向かいます。
(移動手段は自転車の他にも、原付、車がありますがAさんとBさんのお宅は訪問看護ステーションから近くにあったのでこの日は自転車を使いました。)

Bさんは神経性の病気でうまく食事が取れません。
腕の太さなど、体の状態を丁寧に観察しながらBさんの体に栄養が行き届いてるかを確認します。
この日はご家族と話し合い、サービスの調整をもいました。

引用元:訪問看護の1日の訪問件数は??

 

しかし、こんな記事を書いておいてこんな事を言うのもあんまりなのですが、1日の仕事内容は本当に訪問する利用者さんによって変わってきます。

特別な処置が必要なため、複数の訪問看護師で訪問する必要のある利用者さんもいらっしゃりますし、逆に60分世間話のようなことをしておしまいという利用者さんもいらっしゃります。

そのため、私自身の経験から言わせて貰うと、こんな診療科で働いていたから訪問看護に転職する上で特別有利になるだとか、特別不利になるのようなことはないかと思います。

また、訪問看護は1対1で利用者さんと接するから、コミュニケーション能力の高い看護師さんにオススメな職場です!と主張するサイトも中にはありますが、看護師として社会人として最低限の常識が身についていれば、訪問看護は誰にでも始めることができる仕事だと正直思いますし、本当に訪問看護に必要なスキルは訪問看護の仕事をしながらでしか身につかないとも自分自身の経験から思います。

訪問看護師の年収

よく、「訪問看護師 年収」と検索すると「訪問看護師の平均年収は500万円です!」などと出てきますが、本当に役に立ちませんよね。

訪問看護に転職する上で大切なのは、平均年収ではなく、自分がこれから働く職場での給与です。そして、自分がこれから働くであろう職場の給料をざっくりとではなく、かなり正確に把握する裏技が実はあります。

 

 

それは、転職サイトに登録し、転職エージェント越しにその職場の本当の給料を聞く事です。

 

 

求人案件にも一応の給与は記されていますが、残業代は何時間まで支払われるのか、手当はどのくらいつくのか、昇給の幅はどうなっているのかという情報をきちんと転職する前に把握しておかないと、転職後に後悔してしまいます。

それでは、職場の給与情報を聞くのにはどのような転職サイトが適しているのでしょうか?
私は転職の際に『マイナビ看護師』さんに相談し、今の職場に転職する事を決めました。
マイナビ看護師“"さんは職場への聞き込み調査を丁寧に行っているので、職場の細かい給与体系だけではなく、以前その職場に勤めていた看護師さんの退職理由なんかも教えてくれるので、転職を決意する前に、その職場の雰囲気をある程度把握する事ができます。

また、マイナビ看護師さんも素晴らしい転職サイトですが1つのサイトのみに登録すると情報に偏りが生まれて良くないなと感じたので、私は看護のお仕事というサイトにも登録し、転職活動を行っていました。
看護のお仕事“”さんは、転職お祝い金を提供しつつ、運営元がしっかりとした数少ない転職サイトです。(調べて頂ければ分かりますが、看護のお仕事以外の転職お祝い金を提供しているサイトはにお金で看護師を釣って転職させる怪しいものが多いです。)
そのため、私はマイナビ看護師看護のお仕事という2社の転職サイトを使って転職活動を行いました。

また、看護師転職サイトに登録するのは面倒だから、訪問看護のざっくりとした年収を教えてよ。いう方向けに一応訪問看護の給与をお教えしておくと、
未経験の状態から訪問看護に正職員として転職した場合、年収は400万円前後で落ち着くかと思います。

訪問看護には夜勤がないので、場合によっては、訪問看護に転職する前よりも給与が下がってしまうこともあるかと思います。また、訪問看護ステーションの大半の運営元は中小企業ですので福利厚生も手厚くはありません。

しかし、持論を展開してしまい申し訳無いのですが、私はその仕事の給与と同じくらい「労働の原価」というものをきちんと把握しておく事が大切だと思っています。

例えば、我々看護師の場合夜勤に1回入ると夜勤手当が付くのでそのぶん給与は増えますよね。
ですが、夜勤に入ったことで、ストレスが溜まったり、翌日以降体調不良を起こしたり、寿命が縮んだりするという不利益も同時に被ることになります。これが「労働の原価」です。

そして、大切なのは実際に支払われる給与から、先ほど説明した「労働の原価」を差し引いた実質的な所得です。いくら給与が高くてもその分「労働の原価」が高ければ何の意味もありません。

私は訪問看護の仕事をしていて特別なストレスを感じることはないので、
そう考えると私にとって訪問看護の仕事はとても、コストパフォーマンスの良いものだなと思います。

実際に訪問看護師として働いてみて気づいた点

次に私が実際に訪問看護師として何年か働いてみて気づいた点をいくつかご紹介していきたいと思います。

✔︎訪問看護の職場の雰囲気はそれぞれの訪問看護ステーションの色が出やすい。

→訪問看護ステーションは少人数の職場ですので、職員一人一人の性格や管理者の性格が職場全体に大きく影響します。
私は、転職先の訪問看護ステーションを選ぶ際に1番大切なのは職場の雰囲気だと思っているので、こちらも、マイナビ看護師に登録し事前に聞いておきましょう。

また、SECOMやニチイのような大手の大規模な訪問看護ステーションなら職場の人数も多いんじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、
基本的には大手の訪問看護ステーションも、小規模な事業所の集まりです。

そのため、転職サイトに職場の雰囲気を訪ねる際は、その会社全体の雰囲気ではなく、転職するであろう事業所の雰囲気を聞いて下さいね。


✔︎訪問看護での医療行為は病院に比べて断然少ない

→利用者さんの本当の目的は治療ではなく、自宅での生活の実現ですので、よくよく考えてみたら当たり前なのですが訪問看護の仕事は病院での仕事と比べて医療行為は断然少ないです。訪問する利用者さんによりますが、60分間雑談のようなことをしておしまいということもしばしばあります

✔︎(家から近いなど、条件の良い職場に転職すれば)家事育児との両立がしやすい

→よく、「訪問看護の仕事は楽なので育児家事との両立がしやすいです!今すぐ訪問看護に転職しましょう!」などと主張するサイトがあるのですが、これは半分本当で半分嘘です。
確かに、訪問看護ステーションでの仕事は病院のものと比べると負担は軽いですし、夜勤なども殆どありません。

しかし、訪問看護師全員がそのような環境で仕事をしているかと言われるとそれは絶対嘘です。
家から通勤しやすい、職場の雰囲気が良い、電話番が回ってくる回数が少ない、などといった様々な条件をクリアした職場選んで、初めて子育てと仕事の両立ができるのです。

そう言われるとそんな良い職場見つかるのかなと思ってしまいますが、そのような職場はきちんと調べれば必ず見つけることができますし、私も現在正職員として訪問看護ステーションで働きながら2人の子供を育てています。


✔︎自分のデスクが割り当てられるので、なんとなく居場所がある感じがして嬉しい。

→訪問看護ステーションでの仕事の大半は利用者さんのお宅で行われますが、事務作業などの仕事は自分のデスクで行います。自分のデスク(というか定位置)が職場にあることは、私にとって心理的に大きなメリットです。

訪問看護の1日の仕事の流れ

訪問看護での仕事内容の一例は先ほど説明しましたので、次は訪問看護師としての1日の流れを説明していきたいと思います。
8:00 子供を保育園に送り届けてから自転車で職場まで通勤。なかなか想像がしにくいかもしれませんが、職場が自転車圏内にあると気持ちを切り替えながら出勤することができるので、とても良いです。

8:10 職場である訪問看護ステーションに到着。訪問看護ステーションの管理者、同僚と共に朝のミーティングを行い、今日訪問する利用者の方を確認します。私の今日の訪問件数は4件です。
1日の訪問件数は3~4件ほどで、今日は訪問件数が多いのでその分事務作業は少なめです。

9:30-12:00 利用者さんのお宅を2件訪問します。1回の訪問時間は30分から1時間で、訪問する利用者さんによってその時間はバラバラです。

また、症状の重さや、家の綺麗さも利用者さんによってとてもばらつきがあります。
あとこれは働く地域によると思うのですが、わたしの働いている訪問看護ステーションは比較的小規模なので自転車での移動がメインです。

12:00-13:00 お昼休憩。

13:00-15:30 利用者さんのお宅を午後で2件訪問します。

15:45-16:30 職場の訪問看護ステーションに戻り、自分のデスクに座り事務作業を行います。必要書類の記入が主な仕事です。

16:30- 退勤。私の職場では子育てをしながら正職員として働く訪問看護師も多いので、退勤時間は皆で協力し調節することも多々あります。

訪問看護に関するよくある誤解

知り合いから、よく訪問看護に転職したいという相談を受けるのですが、訪問看護の仕事や待遇に対して誤解を抱いている方も中にはいらっしゃります。
そのため、訪問看護に対するよくある誤解を紹介し、それらを訂正していきたいと思います。

✖️訪問看護の仕事は複数人で利用者さんのお宅に訪問するので、仕事の責任が軽い。
→訪問看護の仕事は決して責任の軽いものではないですし、利用者さんのお宅への訪問も通常1人で行います。複数の訪問看護師で利用者さんのお宅に訪問することも中にはありますが、それは利用者さんの症状が重い場合などの特殊なケースです。

✖️訪問看護では1人で利用者さんのお宅を訪問し処置を行うので、仕事の責任が重い。
→通常症状の重い患者さんは医師と連携を取りながら処置を行うので、訪問看護の仕事が想像以上に責任の重いものかと言われるとそうとも言い切れません。
また、症状の重い患者さんを受け入れるかどうかは、訪問看護ステーションの管理者の判断によりますので、仕事の大変さや責任の重さはご自身が働かれる職場にもよるかと思います。
✖️臨床経験のない新卒は訪問看護ステーションに採用されない
→訪問看護ではその仕事の性質上、どうしても病院と比べると多くの患者さんに関わる機会は少ないので、私も新卒で訪問看護に就職をすることをオススメはしません。
ですが、訪問看護には必ず臨床経験が必要というより、最初は病院で看護師としての常識やマナーを身につけてね、といった意味合いが大きいのではないのかなと思います。

✖️訪問看護で働くには訪問看護師としての特別な資格が必要。
→訪問看護ステーションで働くために必要な資格は看護師のみです。運転免許を持っていれば、働くことのできる職場の幅も広がりますが、自転車で利用者さんのお宅を訪問する訪問看護ステーションも多いので、運転免許でさえ必須の資格ではないです。

最後に

最後までこの記事を読んでいただき、どうもありがとうございます。
長々と記事を書いてきましたが、

訪問看護に転職する上で一番大切なのは、訪問看護への知識を高めることではありません。

 

実際に転職に向けて行動をすることです。
看護師転職サイトに登録する前と後では、情報の見え方がや受け取り方が全く変わってくるかと思います。より主体的に情報を集めることができるかと思います。
マイナビ看護師、看護のお仕事は共に、我々看護師が利用料を負担する必要は一切ありませんので、訪問看護に転職することをお考えの方にはお早めにこれらの看護師転職サイトに登録することをオススメします。


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